アメリカ心臓協会では、質の高いCPRをさらに重要視している
質の高いCPRは、心停止管理のための一次救命処置(BLS)および二次救命処置(ACLS)の基礎となる。一次救命処置(BLS)では、プロバイダーがCPRスキルを実施できるようにすることに重点を置いてある。CPRは、心停止の徴候(反応がない、呼吸が正常ではない、脈拍がない)を示している傷病者に対する救命手順である。CPRを構成する要素は、胸骨圧迫と人工呼吸である。

救命処置が遅れるとどうなる

救命処置(CPRと除細動)が遅れることにより、蘇生率(心拍再開率)、救命率(社会復帰率)が1分経過ごとに7〜10%低下する。心停止で倒れた直後にCPRを行うと、生存できるチャンスは2〜3倍高くなる。

質の高いCPRとは

・心停止を認識してから10秒以内に圧迫を開始する
・強く、速く押す:圧迫を100〜120回/分のテンポで行い、深さは
  ー成人:少なくとも5cm
  ー小児:胸郭の厚みの少なくとも1/3(約5cm)の深さまで
  ー乳児:胸郭の厚みの少なくとも1/3(約4cm)の深さまで
・圧迫を行うたびに胸郭を完全に元に戻す
・胸骨圧迫の中断を最小限にする(胸骨圧迫の中断を10秒未満に抑えるよう心がける)
・胸の上がりを伴う効果的な人工呼吸を行う
・過換気を避ける

心停止の認識

心停止は反応なし、呼吸なし、脈拍なしの状態である。
傷病者に反応なく、呼吸がないか死戦期呼吸が認められる、脈拍がない場合は心停止と判断する。
脈の触知は意外と正確ではないことが多いので、医療従事者でない人には、脈の確認をしないで心肺蘇生術を始める

第一発見者(バイスタンダー)が人が倒れたとき、または倒れているところを発見した時の対応は以下で別れる。どのように判断し介入するかを記載する

  1. 反応がない、呼吸は正常、脈があり
    反応がない状態なため、脳に何らかの異常を来たしているということになる
    考えられる病態としては、脳卒中やアルコール中毒、低血糖など
    院外であれば救急隊が来るまで経過観察。嘔吐の危険性がある場合は、脊椎損傷の危険性がなければ回復体位で経過観察
    院内であれば、医師に報告して、検査などをする
  2. 反応がない、呼吸が正常ではない、脈はある
    呼吸がなく、脈はあると状態なため、麻薬や鎮静薬による影響の可能性や呼吸の異常(上気道や下気道)などが考えられる
    介入として、補助呼吸。
  3. 反応がない、呼吸がない、脈はある▶︎心停止のため、心肺蘇生法となる

強く、速く押す。胸郭を元に戻す→胸骨圧迫

速い圧迫▶︎全年齢 1分あたり100回から120回の圧迫
強い圧迫▶︎十分な強さで圧迫する
        成人 5cm以上
        小児 胸郭の前後径の3分の1以上(5cm)
        ★小児が思春期を迎えている場合(青少年の場合)、深さは成人で対応★
        乳児 胸郭の前後径の3分の1以上(4cm)
胸郭を完全に元に戻す▶︎胸骨圧迫を行うたび胸郭が完全に元に戻るまで待つ
           これにより、心臓に血液を再充満させる
中断は最小限に抑える▶︎原則的には、胸骨圧迫の中断は、人工呼吸を行うとき(高度な気道確保
           器具が挿入されるまで)、心リズムのチェック、除細動を行うときのみ
           とする

過換気を避ける→人工呼吸

  • 人工呼吸は、それぞれ約1秒以上かけて行う
  • 人工呼吸をおこうたびに胸郭の上昇を確認する

過換気(1分あたりの呼吸数が過剰または、1回あたりの換気量が過剰)にすることにより、
 ・胃膨満を誘発し、患者が異内容物を嘔吐または誤嚥しやすくなる可能性
 ・胸腔内圧の上昇、心臓への静脈還流の低下、および心拍出量の低下を招く