2018年10月に生体情報モニターのアラーム音に気づかず、死亡したと言う医療事故があっています。生体情報アラームは、使用される部署として救急病棟、ICU、HCU、循環器病棟、一般病棟では必要と判断される患者に使ったりしています。
生体情報アラームモニターはなぜ装着しないといけないのか??

  • 長時間継続、連続して心電図の観察ができる
  • 患者から離れた場所でも心電図の観察や記録ができる
  • 危険な心電図波形や不整脈の際はアラームが鳴って知らせてくれる
  • 不整脈など異常時や必要な時に記録用紙を用いて波形の記録ができる

と言う理由からモニター装着していると思います。

生体情報アラーム装着による安心感と危険なワナ

 生体情報アラームは、患者に異常が出ればお知らせしてくれる。本当に勤務する上で安心してお任せができます。ですが、生体情報モニターも完璧ではありません。モニターも機械ですから、設定したことに対しては従います。
 そのため、心電図が外れたとかでも「外れていますよ」とお知らせしてくれます。繰り返してアラーム音が鳴っていたら「ずっと鳴っているから・止めてもすぐに鳴るから」と言う思い込みが発生します。心電図モニターアラームがなり続ける環境が長期に存在し、結果無意識にマスキング効果が働いたのだと思います。
 今回の事件もそうです。ちょうど日勤と夜勤の交代の時でアラームなっているけど、「夜勤さんが見に言ってくれているだろう」と言う思い込みと多人数いても発生しているわけですから、やはりエラーが出ないように多重の防護壁を準備することが大切です。

プロバイダーコースでも同じことを言えます

 今回、生体情報モニターによる医療事故の記事をみた時に、コースを思い出しました。
 現在、BLS/ACLS/PEARSコースでは、効果的な蘇生を実施するには、チームダイナミクスが重要視されています。「dynamics」の意味は「力強く、生き生きとしているさま。躍動的。力動的」です。

 AHA(アメリカ心臓協会)ガイドライン2015では、チームダイナミクスの要素を3つのカテゴリに分けています。

 ①役割、②伝える内容、③伝える方法、です。

①役割 

明確な役割と責任をすぐに決めます。

 蘇生処置中チームメンバーが各自担当と責任を理解しているとチームは円滑に機能します。チームリーダーは各チームメンバーの能力に応じて作業を定義し任せます。

自分の限界を認識します

 チームメンバーもチームリーダーも自分の限界の認識が重要です。チームメンバーは状況が悪化する前に早めに支援、または助言を求めましょう。

建設的な介入をします

 チームメンバーもチームリーダーも間違いや不適切は修正しなければなりません。特に同僚が間違える前に指摘する時は、それが薬物、用量、治療介入のいずれだとしても機転が必要です。

②伝える内容

知識を共有します

 知識の共有は効果的なチーム行動のための重要な要素です。チームリーダーは管理に関してよい案がないか、見落としの可能性がないかを、チームメンバーにこまめに聞きましょう。声に出すことは治療の進行記録を管理する優れた方法です。

要約と再確認をします

 患者の状態、行われた治療介入、治療アルゴリズム内におけるチームの現在位置を再確認するする方法にもなります。これにより、チームメンバーは変化する患者の状態に対応できるようになります。

③伝える方法

クローズドループコミュニケーションを取ります

 クローズドループコミュニケーションはリーダーとメンバーの双方にとって重要です。次の3つをくり返します。

 1)指示の確認

 2)メンバーに名前で呼びかける(できれば別の作業を割り当てる前に指示を理解しているか顔を見て確認します)

 3)治療介入の完了を伝える

明確なメッセージを使用します

 簡潔で明確な言葉を使用して誤解を防ぎましょう。冷静で自身に満ちた話し方をすると、すべてのチームメンバーの作業に集中させるのに役立ちます。

お互いに敬意を表します

 全員が個々の専門知識やトレーニングに関係なく、お互いに敬意を表しプロとしての態度で接します。処置中は感情が高まることがあるため、チームリーダーが親しみやすく抑制のきいた声で話し、大声を出したり攻撃的になったりしないようにしましょう。

まとめ

 今回、残念ながら医療事故は起こってしまったのですが、医療の世界ってやはり1人ですることは困難だと思います。スタッフが声をかけあいながら医療事故が起きないようにしていく、またヒヤリハットがあれば、それを課題に処置後にデブリーフィングを開くことを提案したらいかがでしょうか?すべての処置において重要で、処置中・処置後のデブリーフィングは個々のチームメンバーのパフォーマンスの向上に役立ちシステムの強化、問題の緩和がなされます。