前回、パルスオキシメータの原理と影響について述べました。
今回は、パルスオキシメータの信頼性について話をしていきたい思います。

PEARS|パルスオキシメータのこと知ってますか?〜原理について〜

パルスオキシメータは信じられる??

パルスオキシメータは動脈血酸素飽和度を連続的にモニタリングできるため、呼吸状態の把握のためによく使われるモニターの中では一番注目されています。

酸素飽和度は、全ヘモグロビンに占める酸化ヘモグロビンの割合をパーセントで示したものです。この酸素飽和度は、組織への酸素運搬量と等しくはありません。また、酸素飽和度は換気が効果的に行われているかどうか(二酸化炭素が排出されているかどうか)ということについての情報は提供していないということは、留意する必要があります。

アメリカ心臓協会AHAのPEARS®プロバイダーコースの中では、SpO2を過信しないように! というメッセージが強く打ち出されています。

そのため、パルスオキシメータに表示される脈拍数とベッドサイド心電図や身体診察による心拍数とを比較する必要性があります。心拍数の値とパルスオキシメータの脈拍数の値が一致しない時は不正確であり、次の状態の時には患者の評価をしなければなりません

  • 脈波を検知できない
  • 間違った脈拍数を示す
  • 信号が弱いことを示す
  • 酸素飽和度の低下を示す

上記のような状態であれば、皆さんはどのような介入をされますか?
ほとんどの方が、パルスオキシメータの故障かなと思って機械の方をみようとする方が多いのではないでしょうか
機械ではなく、患者の評価をすることが大切です。

表示される心拍数が患者の心拍数と一致しない
患者の外観が、表示される酸素飽和度の値にそぐわない

臨床状況での正確性の判断

パルスオキシメータは、次の状況では、不正確かもしれません。

心停止の状態時は、心臓からの拍動がなく、血流の流れがないためパルスオキシメータでの測定ということは不可能です。心停止の時は、蘇生を早くすることを目標にするべきだと思います。

ショックまたは低体温の時は、末梢血管が締まって末梢循環を制限しますから、血管の拍動と血液の吸光度(簡単にいうと色)をもとに計算しているパルスオキシメーターは正しく作動しません。これは、ショックに限らず、冬場で患者さんの手が冷たくて、血行が悪くなっているときにもよく見られる現象です。ショック状態であれば、ショックを治療すれば血流をふやすことができます。末梢冷感があれば保温することが解決につながると思います

体動やシバリングまたは頭上の照明の時は、SpO2の表示される値はなかなか安定しないと思います。プローブを装着した指を動かすと、プローブ先端の発光部と反対側の受光部の皮膚との接触面が体動により前後左右に動き、また、運動により拍動が大きく変動し、静脈の拍動する可能性もあるためSpO2は正確に測定できません。測定する時は、可能な限りプローブ着けた腕(指)を動かさないようにすることが解決方法です。

皮膚とプローブの間の接触の問題は、装着部位の厚さや装着状態を注意しなければなりません。発光部と受光部の間隔が広くなるにしたがって透過光強度が低下し、反対に間隔が狭いと血流が少なくなって脈波シグナルが小さくなるため、通常は6〜18mm厚(10mm程度が最適)の部位に装着する必要があります。

発光部とセンサー受光部とが一直線上にない時は、発光部と受光部が向かい合っているかを確認します。装着する部位に対してセンサのサイズが合っていない場合など光が届きにくい場合も測定が不安定になる場合があります。

低心拍出状態での心不整脈の時は、不整脈が脈の検出と脈拍数の計算を妨げていることがあります。不整脈を起こしているのであれば、治療をすることで解決できます。

機械的な問題として、クリップタイプのプローブは、発光部と受光部を関節部位に装着すると脈波シグナルが小さくなる。また粘着タイプで固定するタイプとディスポーザブルプローブでは発光部と受光部が互いに対向しないと、外光部が受光部に入り込みやすくなる。プローブは被験者の体型や体重に応じて選択してテープで動かないように固定し、プローブと本体を接続するケーブルの揺れも誤差原因となるため固定する

まとめ

今回、パルスオキシメータの信頼性について述べました。
パルスオキシメータは呼吸状態の把握を簡単に知ることはできますが、影響を与えることも把握して対応し、もしパルスオキシメータでの測定ができなかった時は機械を治すのではなく、先に患者の状態を評価することが大切ということです